父親から継いだ玩具会社を経営し、プール付きの瀟洒な郊外住宅に、結婚20年の妻と息子が2人。何不自由ない生活を送っていたウォルター・ブラックだが、ある日突然、 うつ病に。カウンセリングも薬も音楽療法も催眠療法も効果なく、1日中寝ている毎日。そんな彼の状態に家族も影響され、ヘンリーは小学校で孤立し、高校生のポーターは 「父親みたいにはなりたくない」とますます背を向け、エンジニアの仕事に没頭しながらも夫の快癒を願っていた妻メレディスには、もはや打つ手がない。 家を出たウォルターが箱いっぱいに買った酒瓶を入れるため、車のトランクのガラクタを捨てたとき、ビーバーのぬいぐるみに目が止まり、なにげなく箱に入れる。 ホテルのベランダから飛び降りようすると、左手に持っていたビーバーが「おい!」と呼びかけてきた。ビーバーの声はウォルターが出しているのだが、「お前の人生を救う ためにやって来た」とビーバーは自信満々に言うのだった。ビーバーを左手にはめたウォルターからは、うつの症状がきれいさっぱり消え去る。
自宅に戻ったウォルターは、メレディスにメッセージ・カードを渡す。そこには「このカードを渡した男は人形を処方された。彼とは普通に接し、会話は人形を通すこと」 と書かれている。戸惑うメレディスをよそに、パパが大好きなヘンリーは大喜びで、ビーバーのこともすんなり受け入れた。そんな次男にメレディスも心を和らげる。 精気を取り戻したウォルターは会社でも社員の自由裁量に任せて発破をかける一方、木工に夢中のヘンリーにヒントを得て、新商品「ビーバーの木工セット」を 思いつく。これが大当たりし、ウォルターは世間の注目の的に。新生ウォルターによって家庭も仕事も全てが順調にみえた。